永田良介商店 × ホテルオークラ神戸 — JAPAN MODERNISM 2.0が紡ぐ文化の継承

 2026年1月、日本橋三越を主要拠点として、デザイン・アート・建築・クラフト・テクノロジーが交差する実験的なプラットフォーム「MITSUKOSHI design week -design pulse tokyo」が開催されます。日本のモダニズムの精神と美意識を継承しつつ、現代の技術・素材・価値観で再解釈し、新たな暮らしの形を提案する街を巻き込んだ回遊型イベントです。そして、文化継承の特別なプロジェクトとして、英国インテリアデザイン界の巨匠デービッド・ヒックスがデザインしたホテルオークラ神戸のレストラン「エメラルド」のダイニングチェア再生プロジェクトが、神戸の老舗洋家具店である永田良介商店の手によって実現します。

 

 

ホテルオークラ神戸の写真


神戸の歴史を体現する一脚:デービッド・ヒックスとは

 このプロジェクトの対象となるのは、ホテルオークラ神戸の開業当時から愛されてきたフランス料理店「レストラン エメラルド」(2023年閉店)で長年にわたり使用されてきた食堂椅子、通称「エメラルドチェア」です。この椅子は、神戸の国際都市としての歴史とそこで育まれたホスピタリティ文化の生きた証人とも言え、神戸の文化の象徴でもあると考えています。

 この椅子のデザインを手掛けたデービッド・ヒックス(David Hicks、1929-1998)は、20世紀後半のデザイン界に革命をもたらした、英国を代表するインテリアデザインの巨匠の一人。彼は1954年にインテリアデザイナーとしてデビューし、鮮やかな色彩や幾何学的パターンを大胆に取り入れた革新的なスタイルで世界的な注目を集めました。

さらに、彼は1960年にパメラ夫人と結婚し英国王室の一員となったことで、王室や世界各国の王族・貴族の邸宅を手掛けることになります。日本においても、1980年代以降、川奈ホテルやホテルオークラ(本館・別館、神戸)のスイートルームのデザインを担当するなど、ホテル業界にも大きな影響を与えました。エメラルドチェアは、端正なフォルムと華やかな生地使いが特徴的で、デービッド・ヒックス特有の幾何学的なパターンと上質なファブリックが格式高いレストランの雰囲気を演出していました。

ホテルオークラ神戸 レストランエメラルド写真

ホテルオークラ神戸の写真(開業当時の写真)


150年のクラフトマンシップが家具に「新たな価値」を吹き込む

 この歴史的な名作を再生させるのが、1872年(明治5年)に神戸で創業した永田良介商店です。同社は日本で最古の家具店とも言われ、創業から150年以上が経過した現在も、伝統技術を受け継ぎながら、「一生もの」として100年使える高品質なオーダーメイド家具を作り続けています。それだけでなく、旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)や旧ハッサム邸など、重要文化財などの家具の再現・修復実績を持ち、今回のプロジェクトでは、デービッド・ヒックスの独創的なデザイン精神を尊重しつつ、現代の住環境やライフスタイルに適応できるよう細心の注意を払って再生作業を進めました。

永田良介商店イギリス輸送の集合写真

オーダーメイド感が伝わる写真

ヨドコウ迎賓館写真



神戸の「伝統」が紡いだ、二つの老舗の邂逅

 この特別なプロジェクトの背景には、神戸という国際都市で長きにわたり、それぞれの道を究めてきた二つの老舗の、必然的な共鳴がありました。

1872年(明治5年)に神戸で創業した永田良介商店は、創業以来150年以上、「一生もの」として100年使える高品質な家具を作り続け、日本の名門ホテルや迎賓館などにも家具を納入することで、日本の近代化と共に歩んできました。

一方、ホテルオークラ神戸は、みなとまち神戸の象徴として、心を込めたおもてなし上質なホスピタリティの伝統を積み重ねてきた場所です。

永田良介商店が今回のプロジェクトを立ち上げたのは、「神戸を象徴するホテルでもあるホテルオークラ神戸さまと共に歩んできた家具を未来へ残したい」という強い使命感からでした。彼らは、歴史ある家具に新たな生命を吹き込む責任と使命を感じており、特に歴史的建造物の家具の再現・修復実績を持つ永田良介商店にとって、神戸のホスピタリティの象徴ともいえるホテルの家具の継承は、まさに彼らのクラフトマンシップの真価が問われる機会でした。

こうして、神戸の地で歴史を重ねてきた永田良介商店の150年のクラフトマンシップと、ホテルオークラ神戸の長年培われた信頼と品格が融合し、「エメラルドチェア」再生プロジェクトとして結実しました。神戸の文化的遺産を保存し、次世代に継承するという共通の思いが重なり合い、プロジェクトが実現しました。

職人の手による一点一点の修復作業を通じて、単なる復元ではなく、「過去の美学」と「現代の生活スタイル」を融合させた「新たな価値を持った家具」としてエメラルドチェアを蘇らせることを目標としています。

永田良介商店の職人の写真

ホテルオークラ神戸のホスピタリティが感じられる写真


開催情報:歴史とデザインの価値を体感する

 このプロジェクトは、永田良介商店の150年のクラフトマンシップと、ホテルオークラ神戸の信頼と品格が融合することで、単独では実現できない独特のブランド価値を創造します。特に実際にホテルで使用されていたということは、当時の多くの物語を感じることができる家具として深い価値を与え、購入者にとっては特別な意味を持つダイニングチェアとなります。

再生されたエメラルドチェアは、2026年1月日本橋三越本店で開催される「MITSUKOSHI design week -design pulse tokyo」のPOPUPストアにて、数量限定の特別展示販売を予定しています。会場では、歴史的背景を説明する展示パネルや、デービッド・ヒックスの作品世界を紹介するコンテンツ、ホテルオークラ神戸での実際の使用状況を記録した写真展示などが展開され、来場者に歴史とデザインの価値を体感してもらう場となるでしょう。

完成した椅子とホテルオークラ神戸の写真

完成した椅子とホテルオークラ神戸の写真2

 

 

『永田良介商店×ホテルオークラ神戸』

ダイニングチェア

幅44×奥行52×高さ90・座面の高さ43cm

138,600円(税込)

※数量限定

※受注生産の為、お届けまで約4か月いただきます


 

問い合わせ
永田良介商店
078(391)3737
info@r-nagata.co.jp